私の生活作法 花鳥風月を友にして


by yuuyuu1122
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男伊達より小鍋立て

 鍋料理といえば、普通に考えれば、冬を中心とした料理であろう。ところが、池波正太郎の短編小説に「梅雨の湯豆腐」というのがある。「橋場の豆腐屋が、今朝とどけてくれた豆腐と油揚げを、細かく切って土鍋へ入れ、小さな火鉢にかけた。彦次郎が何より好物の湯豆腐であった。豆飯を台所のかまどへかけておいてから、彦次郎は湯豆腐と焼海苔で酒をのみはじめた。梅雨の冷えに、湯豆腐はことにうまい」ということである。
 今日は、一日中ほとんど雨であった。時には尋常ではない降りかたもした。2年前に病気をして、痩せてしまい、以来体重がほとんど増えないためか、暑さ寒さ、特に寒さに弱くなった。今日の日中の気温は25℃でまあ夏日といえるが、肌寒さを感じたのであった。ということで、突然、この「梅雨の湯豆腐」を思い出したのである。
 さて、見出しの「ことわざ」であるが、「男の面目にこだわって、つまらない意地を張るより、家庭を大事にした方がよい」ということらしい。こういう俚諺に出会うと、「企業戦士」などという言葉が流行った時代に勤め人だった私には、心中まことに忸怩たるものがある。(写真は、ハッタとにらみつける沢蟹)
男伊達より小鍋立て_f0221612_751992.jpg


   船宿に降り籠めらるや楸邨忌       和樽
by yuuyuu1122 | 2010-07-03 17:21 | 日記