穀雨 末候 牡丹華 (ぼたんはなさく)~七十二候
2017年 04月 30日
今日は、七十二候の「牡丹華 (「ぼたんはなさく」と読む)」日。卯月・穀雨の末候である。
牡丹は七十二候の生れ故郷、中国原産のボタン科の落葉低木で、中国では花王と称している。
樹高:30cm~2m
開花期:4月~6月
花形;一重、八重、千重、万重、獅子咲きなど。
花色;白から桃、紅、朱赤、黄など非常に豊富で変化の幅が広い。
日本には薬用として奈良時代に入ってきたのが最初ではないかと言われている。「枕草子」「蜻蛉日記」などにボタンの花が書かれているところから、平安時代には花を観賞していたと思われる。鎌倉時代からお寺や庭園に植えられていたようである。
本格的に栽培されて多くの品種が作出されたのは、江戸時代に入ってから。明治時代には大阪の池田が栽培の中心。また、新潟や島根でも古くから栽培されており、優れた品種がいくつも生まれた。現在は島根県の大根島が一大生産地として、知られている。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」といわれる。理想的な女性美を謳った言葉であるが、その理由は次の通り。
立てば芍薬。それは芍薬が、枝分かれすることなくすらりと伸びた茎の先端に美しい花を咲かせるからだとする。
牡丹は枝分かれするので横張りの樹形になり、まるで座っているかのように見える。つまり牡丹は、座って観賞したほうがきれいに見える。
歩く姿は百合の花とは。百合は、しなやかな茎の先にややうつむき加減に花を咲かせ、風をうけると揺れる。その様子がまるで、女性が優美に歩いているように見えるからだという。